史上最強打線を知っていますか?堀内恒夫監督率いる2004年の読売巨人軍の打線のことを指します。
2003年オフに大阪近鉄バファローズを自由契約になっていたタフィ・ローズを獲得し補強に成功。さらに、ダイエーホークスから小久保裕紀を無償トレードで獲得します。
この結果、西武の4番清原、ヤクルトの4番ペタジーニ、広島の4番江藤智を含む、かつて5球団で4番を務めた強打者5人が巨人に集結することとなりました。
これに加え、巨人生え抜きの打者として阿部慎之助、高橋由伸、仁志敏久、二岡智宏、清水隆行などが在籍。彼らにより、この年、1980年に近鉄バファローズが記録したシーズンチーム本塁打記録239本を大幅に更新する、シーズン259本塁打を記録します。
実際の打線を見ていきましょう。
打率3割越えが4人、2割8分越えだと7人となかなかの高打率。ホームランは25本越えが6本と、どこからでも1発の狙える打線になっています。
また、開幕からの連続試合本塁打を33試合で更新、チーム719打点、長打率.483、出塁率.339を記録します。つまり、チームops.822ということになります。
参考までに、2019年にリーグ優勝を果たした巨人打線で、チーム本塁打数183本、打点627点、出塁率.335、長打率.422のops.757ですので、いかにこの史上最強打線の破壊力があったかがわかるでしょう。
しかし、盗塁に関して見ると、チーム最高が鈴木尚広の9で、チーム全体でも25と機動力はほとんど無いと言っても過言ではありません。ちなみに、このチーム25盗塁はNPBで平成史上最小でした。この年のセリーグ盗塁王、阪神の赤星が64盗塁をしていることからも、この少なさがわかるでしょう。(なんとダブルスコア以上である!)
上原浩治、工藤公康、桑田真澄と投手も揃っていましたが、この年はチーム防御率4.50と投壊することとなります。結局、就任1年目の落合監督率いる一位中日に8ゲーム差をつけられて、3位という成績に終わります。皮肉にも「野球は投手で決まる」ということを証明してしまった年となりました。