2020年に引退した広島のキャッチャー、石原慶幸を知っていますか?打率は高くないものの、時折飛び出す意外性のあるプレーでファンを沸かせる選手でした。その意外性から「インチキ」と呼ばれる事も。これは決して悪い意味ではありません。
今回はそんな石原慶幸選手の興味深いエピソードを紹介していきます。
https://hochi.news/articles/20200109-OHT1T50161.html
飛ぶキャッチャー
石原は「飛ぶキャッチャー」と呼ばれることがあります。このきっかけとなったのが2006年5月31日の試合です。
ランナーを3塁に置き、石原がスクイズを行おうとする場面。相手投手がピッチアウトした球を打とうとして真横にジャンプしバットにボールを当てようとします。結果は失敗に終わり、3塁を飛び出していた栗原健太はタッチアウトになりました。
しかし、このプレーがファンの間で話題となり石原に「飛ぶキャッチャー」の愛称が付きました。
2007年10月1日の中日戦でも、1アウト2、3塁からスクイズを外され、ジャンプしてバットにボールを当てようとするという、ほぼ同じことが起こりました。
一握の砂
2013年5月7日の横浜戦、横浜の攻撃のランナー1塁の場面でピッチャー久本祐一の投球を石原がこぼしてしまいます。
球を見つけられないものの、足元の砂を掴んで1塁ランナー、石川雄洋を牽制。実際にはボールを掴んでいないものの、その仕草だけで石川の進塁を阻止することに成功したのです。
アウトになったふりをして進塁
2016年7月27日の巨人戦でこの珍プレーは起きます。
5回表、1アウト満塁でバッターの田中広輔はセカンドゴロ。4-6-3とボールが渡りますが、併殺崩れで打者走者の田中は一塁に残ります。
その間に三塁ランナー下水流昂が生還し、広島が1点追加。一塁ランナーの小窪哲也はフォースアウト、二塁ランナーの石原慶幸は二塁に戻った為、2アウト1、2塁となります。
ところが、次の打者の菊池涼介がバッターボックスに入った時、ランナーはなんと1、3塁に。何が起こったのでしょうか。
実は、2塁に居た石原がアウトになったふりをして歩いて3塁に。実際にアウトになった小窪は石原か3塁ベースに到達するまで2塁で待ち、石原の3塁到達後にベンチに戻りました。
巨人野手陣は石原がアウトでベンチに戻っていると思い込み、気づいた時には石原は3塁に到達していました。
相手チームだけでなく、解説もこれには困惑。「セカンドランナーがゆっくり3塁に行っていた」という異例の解説も生まれました。
サヨナラデッドボール
2011年5月14日の巨人戦でこの事件は起こります。
9回裏、3-4と巨人がリードの場面でレビ・ロメロが登板します。
しかし、ロメロは投球が定まらず、先頭打者の東出にヒット、廣瀬に送りバントを打たれます。さらに続くトレーシー、栗原、前田智徳に四球を与え、巨人は同点に追いつかれます。
続く丸はセンターフライに打ち取ったものの、ここで打席には石原慶幸。
ロメロの初球は石原の左手首を直撃します。石原は倒れ込むも、すぐに立ち上がりガッツポーズ。押し出しサヨナラのデッドボールとなりました。
石原はこの試合で5打数無安打ながらもヒーローインタビューに呼ばれました。